茨城県ひたちなか市にある「黒澤醤油店」は、醤油の製造と加工品の販売を行う老舗直売所です。
国道245号線沿いには「黒澤醤油」や「醤油ソフト」と書かれた看板が点在し、訪れる人の目を引きます。
どこか懐かしさを感じるレトロな門構えをくぐると、表に数台程度の駐車スペースがあり、奥には観光バスも停められるほどの広いスペースがあります。
創業は明治38年、現在は四代目が伝統の味を守り続けています。
受賞歴のある黒澤醤油店の醤油スイーツ

すぐそばにある製造所近くでは、豆の香ばしい香りとほんのり醤油の香りが漂います。
店内には醤油、醤油加工品やギフト商品のセット、スイーツが並びます。
醤油プリンは「いばらきデザインセレクション2011」で知事選定を受賞した商品です。
プリンはとてもなめらかで、醤油のほんのりあまじょっぱい風味が甘さの中に奥行きを与え、思わずもう一口と食べ進めてしまう味わいです。
透明な冷蔵・冷凍ケースには醤油アイスクリームや醤油糀シフォンケーキも並び、どれも人気です。
また、ぽん酢醤油、たまごかけ濃厚だし醤油、あわ漬(漬物醤油)、焼肉のたれ、甘酒、手作り味噌など、様々な加工品も揃っています。
直売所ならではの試食コーナー

店内にある小瓶の試食コーナーでは、醤油はもちろん、焼肉のたれやあわ漬など、ほとんどの商品を味わいながら選ぶことができます。
各商品の風味の違いを確かめることができ、醤油ごとに異なる香りや味の個性がよくわかります。

代々受け継がれた杉桶で長期熟成された仁右衛門醤油は、歴史を感じさせるパッケージも魅力のひとつで、そのレトロな見た目に惹かれて購入する人も多いそうです。
蔵カフェと発酵教室

店内併設の蔵カフェでは、予約制で醤油や発酵食品を使ったランチを味わうことができます。
おだんごや軽食は予約なしで利用可能。
天気の良い日にはテラスで醤油ソフトクリームを楽しむ子どもたちの姿も見られます。
さらに発酵教室も開催しており、醤油や発酵食品の魅力を体験できる場所としても親しまれています。
明治38年から続く杉桶仕込み — 天然醸造の現場
黒澤醤油店の醤油は、創業当時から変わらない伝統製法で造られています。蒸し上げた大豆と丁寧に炒った小麦を合わせ、種麹を加えて麹室で麹に育てる工程から始まり、蔵に住みつく天然酵母菌と乳酸菌の働きを借りながら、代々受け継がれてきた杉の木桶へと移されていきます。
桶の中では、四季の温度変化に身をゆだねたもろみが、1年から2年かけてゆっくりと発酵・熟成。圧搾、火入れ、充填と工程は続き、最終的にひと瓶の醤油として形になります。機械任せにせず、人の手と微生物の働きを大切にする醸造は、創業から120年経った今も変わっていません。
黒澤醤油の代表的な醤油ラインナップ
直売所には、用途や好みに合わせて選べる複数の醤油が並びます。
富士仁(ふじに)は、看板商品の濃口醤油。1年〜1年半かけて低温でじっくり熟成させ、さらに旨味を加えた、毎日の食卓にも合わせやすい一本です。
醤蔵(ひしおぐら)は、再仕込み醤油。2年間かけて造り上げられた、深いコクとまろやかさを併せ持つこだわりの一品で、刺身や卵かけご飯など素材の味を引き立てたい料理に向きます。
仁右衛門(にえもん)は、丸大豆を使った杉桶熟成の醤油。歴史を感じさせるレトロなラベルも魅力で、贈り物として選ばれることも多い商品です。
ほかに、かつおだしを合わせた富士寿(ふじことぶき)、野菜を漬けるだけで簡単に漬物が作れるあわ漬など、料理の幅を広げてくれるラインナップが揃っています。
蔵カフェのおすすめメニュー
蔵カフェの看板メニューは、発売当初から人気の甘酒醤油ソフトクリーム。醤油の旨味を活かしたソフトクリームに自家製の甘酒をかけた一品で、小豆やきな粉のトッピングも選べます。
ドリンクには、甘酒といちごを合わせた糀いちごスムージーや、季節ごとに表情を変える甘酒ドリンクが並びます。スイーツでは醤油糀のシフォンケーキや粟だんごも人気で、おやつ感覚で気軽に立ち寄れるのも蔵カフェの魅力です。
ランチは醤油の味わいを最大限に活かしたメニューを提供していますが、こちらは事前予約制。電話(029-272-3776)で問い合わせる必要があります。蔵を改装した店内には、歴代の醤油ラベルを展示した小さな歴史ギャラリーもあり、商品を選びながら黒澤醤油の歩みを感じることができます。
2026年開催 — 発酵教室で学ぶ醤油と発酵食
毎年人気の発酵教室は、2026年3月〜5月にかけて全6回のプログラムで開催されます。定員は先着10名と少人数制で、受講料は46,200円(税込)。1月中の申込みには2,200円の割引が適用されます。
カリキュラムでは、発酵と麹の基礎から始まり、甘酒や納豆、日本酒、醤油それぞれの世界を学んでいきます。納豆博士のもとでの納豆蔵見学、酒蔵見学、黒澤醤油店での醤油蔵見学など、座学だけでなく実際の現場を体験できる構成が特徴です。最終回では各受講者が自身で取り組んだ発酵食を発表する場も設けられています。
申込みは電話(029-272-3776)から。発酵食を生活に取り入れたい方、料理の幅を広げたい方におすすめです。
黒澤醤油店へのアクセスと周辺観光
国道245号線沿いに位置し、車で立ち寄りやすいのが魅力です。「黒澤醤油」「醤油ソフト」と書かれた看板が複数あるため、初めての方でも迷わずたどり着けます。駐車場は店舗前に数台分、奥には観光バスも停められる広いスペースが確保されています。
ひたちなか市内の観光と組み合わせるなら、車で約15〜20分の 那珂湊おさかな市場 で新鮮な海鮮を楽しんだ後、お土産として黒澤醤油店に立ち寄るルートが定番です。春の ネモフィラ や秋の コキア で知られる国営ひたち海浜公園も同じく車で20分前後の距離にあります。
オンラインでも一部商品の購入が可能で、公式オンラインショップ(fujini-shouyu.ocnk.net)から取り寄せることができます。遠方からのリピーターにとっても心強い窓口です。