朝どれの海鮮丼を食べ終えたあと、気がつけばまだ13時。せっかくひたちなかまで来たのだから、もう一か所、二か所と寄り道したくなります。
この記事では、おさかな市場を起点に徒歩圏〜車20分圏で行けるスポットを、「絶景を見たい日」「子どもと行く日」「雨の日」「歴史をたどる日」「食後にスイーツ・産直」「レトロ電車で港町散策」の6つのテーマで紹介します。記事末尾には半日・1日のモデルプランも用意しました。今日のあなたの気分に合う寄り道先が、きっと見つかります。
テーマ①:絶景を見たい日
海と空と鳥居――ひたちなか・大洗エリアは、SNS映えする絶景が半径10km圏に集中している稀有な土地です。おさかな市場で昼食を済ませてから夕景まで、3か所をはしごする欲張りプランも組めます。
大洗磯前神社(車10分)──海に立つ神磯の鳥居

那珂川を渡って車で約10分、海岸線を少し南に下ると「 大洗磯前神社 」に着きます。荒波に洗われる岩礁の上に立つ「神磯の鳥居」は、日の出の時間帯がとくに神々しく、晴れた早朝を狙う写真愛好家で賑わいます。昼に参拝する場合は、太陽の位置が変わることで鳥居がシルエットになり、逆光の構図が楽しめます。
本殿は急な石段を登った高台にあり、振り向けば太平洋を一望できる絶景が広がります。おさかな市場からは橋を渡ってすぐなので、市場のあとに立ち寄る定番ルートとして気軽に組み込めます。
酒列磯前神社(車15分)──樹齢300年の樹叢トンネル

大洗磯前神社と対をなすのが、ひたちなか市磯崎町の「 酒列磯前神社 」。参道は樹齢300年を超えるタブノキとヤブニッケイが頭上でアーチを組む、涼しげな緑のトンネル。真夏でも木陰がひんやりと残り、歩くだけで写真になる場所です。
宝くじの高額当選祈願で有名な「幸運の亀」の像もあり、金運アップのパワースポットとしても人気。大洗磯前神社とセットで二社参りする人が多いエリアです。
大洗マリンタワー(車10分)──60mから太平洋を360度
大洗港のランドマーク「大洗マリンタワー」は、高さ60mの展望室から太平洋を360度見渡せる展望タワー。条件が良い日は富士山や日光連山まで見通せます。入館料は大人340円とお手頃で、サクッと登って絶景だけ楽しむ使い方ができます。
営業時間は9:00〜21:00(9月〜2月は18:00まで)。夜は港の灯りが海に映える夜景スポットにもなります。2階にはアニメ「ガールズ&パンツァー」の公式カフェが入っており、ファンの聖地巡礼先としても知られています。
テーマ②:子どもと楽しむ日
海鮮ランチのあと、子どもが「もう飽きた」と言い出しても大丈夫。徒歩圏の港町散策から車20分の大型テーマ施設まで、年齢に応じて選べる遊び場が揃っています。
アクアワールド・大洗(車10分)──サメ飼育数日本一
関東最大級の水族館「アクアワールド・大洗」は、飼育しているサメの種類が日本一。約580種・68,000点もの生き物が展示されており、巨大水槽やイルカ・アシカのショーは大人も子どもも夢中になります。滞在時間は最低でも2〜3時間は見ておきたい規模です。
ひたち海浜公園とハシゴして1日で両方まわるなら、春のネモフィラ期間限定で発売される 前売りセット券 を使うとかなりお得になります。単独で来館する場合は当日券でOKです。
国営ひたち海浜公園(車20分)──ネモフィラ・コキアの絶景

約215ヘクタールの広大な「国営ひたち海浜公園」は、春(4月中旬〜5月上旬)の ネモフィラ 、秋(10月中旬)の コキア という、年に2度の絶景シーズンが有名です。園内にはサイクリングコースや遊園地「プレジャーガーデン」もあり、花がない季節でも半日遊べます。
園内はかなり広いので、体力のない小さなお子さん連れの場合はレンタサイクルか園内バス(シーサイドトレイン)の併用がおすすめです。
阿字ヶ浦海水浴場(車15分・夏限定)──遠浅1.2kmのビーチ

7月中旬から8月下旬の約1か月間だけ開設される「阿字ヶ浦海水浴場」は、約1.2kmの弓なりに伸びる砂浜と遠浅の海岸が特徴。茨城県内でも屈指の規模の海水浴場で、夏休みのファミリーで賑わいます。
ひたちなか海浜鉄道湊線の阿字ヶ浦駅から徒歩5分と、電車でのアクセスも良好。車の場合は常陸那珂道路ひたち海浜公園ICから5分です。開設期間は年により変動するため、訪問前にひたちなか市観光協会の最新情報を確認してください。
テーマ③:雨の日でも楽しめる屋内スポット
予報が外れて雨に降られても、ここから紹介する3か所はほぼ屋内で完結します。子連れでも大人同士でも、天気に左右されずに半日遊べる構成です。
アクアワールド・大洗(車10分)──雨の日の筆頭候補
テーマ②でも紹介した水族館は、雨の日こそ本領発揮するスポットです。全館屋内で、イルカショーの観覧席も屋根付き。駐車場から館内入口までも短距離なので濡れずに到着できます。雨の週末はやや混雑する傾向があるので、午前中の入館がおすすめ。
めんたいパーク大洗(車10分)──入場無料の明太子テーマパーク

かねふくが運営する「 めんたいパーク大洗 」は、明太子の製造工程をガラス越しに見学できる無料のテーマパーク。できたて明太子の直売コーナー、明太子おにぎりやソフトクリームなど限定グルメも豊富で、1時間もあればサッと楽しめます。
市場で海鮮を買ったあと、ここで明太子をお土産に加える流れも定番です。
ひたちなか市埋蔵文化財調査センター(車15分)──虎塚古墳の壁画レプリカ

知る人ぞ知る雨の日スポットが「 ひたちなか市埋蔵文化財調査センター 」。普段は非公開の国指定史跡「虎塚古墳」の極彩色壁画を、実寸大レプリカで常時見学できます。入館無料・屋内展示のみで、歴史好きの大人にも子どもの自由研究にも向く、静かな穴場です。
テーマ④:歴史をたどる日
那珂湊は、幕末に水戸藩が近代化の実験場にした土地でもあります。市場から徒歩圏に幕末遺構が2つ、車15分圏に甲斐武田氏ゆかりの史跡があります。歴史好きなら1テーマだけで半日埋まります。
那珂湊反射炉跡(徒歩10〜15分)──水戸藩の大砲鋳造所
あづまが丘公園内にある「那珂湊反射炉跡」は、水戸藩第9代藩主・徳川斉昭の命で安政4年(1857年)に造られた大砲鋳造所の跡。元治元年(1864年)の騒乱で破壊され、昭和12年(1937年)に復元されました。煉瓦積みの炉体はスケール感があり、幕末の西洋技術導入の熱気を肌で感じられます。
見学は無料・無休で、おさかな市場からは徒歩で10〜15分ほど。車なら駐車場が5台分あります。小高い丘の上にあり、市街地と港を見下ろせる眺望もちょっとしたご褒美です。
湊公園(徒歩5〜10分)──徳川光圀ゆかりの黒松庭園
おさかな市場から歩いてすぐの「湊公園」は、水戸藩第2代藩主・徳川光圀(水戸黄門)が元禄11年(1698年)に築いた別邸「夤賓閣(いひんかく)」の跡地。光圀が須磨明石(兵庫県)から取り寄せたと伝わる樹齢300年超の黒松が12株、いまも堂々と枝を広げています。
高台から那珂川河口と港を見下ろすロケーションも素晴らしく、朝いちばんの散歩コースに組み込めば、市場がオープンする前の静かな時間帯を過ごせます。
武田氏館(車15分)──甲斐武田氏発祥の地

ひたちなか市武田地区にある「 武田氏館 」は、戦国最強と謳われた甲斐武田氏のルーツがここ常陸国武田郷にあったことを伝える史跡。館内では武田信玄につながる系譜展示や、鎧の着付け体験(要予約)も楽しめます。幕末史のあとに中世史までたどりたい欲張り派におすすめです。
テーマ⑤:食後にスイーツ・産直ショッピング
ひたちなか市は日本の干し芋生産量日本一。海鮮を満喫したあとは、この土地ならではの甘いものと産直野菜を買って帰るのが正解です。
ほしいも神社(車15分)──黄金の鳥居が並ぶフォトスポット

阿字ヶ浦の堀出神社境内にある「 ほしいも神社 」は、2019年創建の新しいパワースポット。黄金色の鳥居がずらりと並ぶビジュアルで一気に話題になりました。「欲しいものが手に入る」というユニークなご利益にちなみ、参拝後に干し芋をお土産に買う人がほとんどです。
ここすな(車10分)──地元野菜と干し芋の直売所

観光地価格ではなく、地元のリアルな価格で干し芋や新鮮野菜を買いたい人には「 ここすな 」がおすすめ。長砂エリアの直売所で、朝どれの野菜や農家直送の干し芋が並びます。観光地らしさを求めない人にこそ刺さる、玄人好みのスポットです。
テーマ⑥:レトロ電車で港町散策
車がない/運転しない日は、ひたちなか海浜鉄道 湊線(みなとせん)の出番です。市場から徒歩15分ほどで那珂湊駅に着くので、歩きついでに立ち寄る旅行者も多い路線です。
ひたちなか海浜鉄道 湊線(徒歩15分で那珂湊駅)
勝田〜阿字ヶ浦の14.3kmを結ぶ湊線は、100年以上の歴史を持つローカル線。1913年(大正2年)開業の那珂湊駅舎は登録有形文化財で、駅そのものが観光スポットです。気動車の音を聞きながらの港町散策は、クルマ移動では得られないスローな時間が流れます。
最近話題なのは、新形式気動車「キハ100」の運転開始に合わせた 記念乗車券 。鉄道ファンはもちろん、沿線散策のきっかけとしても便利です。
那珂湊駅→ほしいも神社(阿字ヶ浦駅)→阿字ヶ浦海水浴場、と湊線で巡りたい人は、 スマホで買える1日フリー切符 が便利。切符の発券待ちなしで乗り降り自由、ひたち海浜公園の入園券もセットになったお得なプランです。
モデルプラン:半日コース(4〜5時間)
徒歩中心で、濃い時間を過ごす「歴史+絶景」コースです。
10:30 湊公園で朝さんぽ → 黒松と那珂川の眺めで準備運動。
11:30 おさかな市場で昼食 → 開店直後を狙えば行列も短め。海鮮丼や浜焼きを楽しむ。
13:30 那珂湊反射炉跡 → 徒歩10〜15分で幕末水戸藩の空気に触れる。
14:30 大洗磯前神社+大洗マリンタワー → 車で10分移動。神磯の鳥居を拝んで、タワーで太平洋を一望して帰路へ。
モデルプラン:1日コース(朝〜夕方)
早起きして日の出から動く、絶景・グルメ・花を全部盛りにした王道コースです。
5:30 大洗磯前神社で日の出 → 神磯の鳥居から昇る朝日。夏は4時台、冬は6時台が日の出時刻の目安。
8:00 ホテル/車内で仮眠 → 朝ごはんは市場までとっておく。
10:00 おさかな市場で海鮮ランチ → 早めに入店して行列回避。
12:00 国営ひたち海浜公園 → ネモフィラ/コキアの季節ならメインディッシュ。それ以外の季節はサイクリングで。
15:00 ほしいも神社+直売所 → 写真と土産を一気に片付ける。
17:00 酒列磯前神社 → 夕方の樹叢トンネルをくぐって締めくくり。
アクセスと駐車場のポイント
周辺巡りの起点となるおさかな市場の駐車場事情は、週末や連休に限って大混雑します。予約制駐車場や穴場の無料駐車場も含めてまとめた 駐車場ガイド を別途用意しています。ゴールデンウィークや夏休みに訪れる場合は、事前に目を通しておくと安心です。
車を使わずに周辺を巡るなら、ひたちなか海浜鉄道湊線+徒歩の組み合わせがおすすめ。那珂湊駅から徒歩圏に市場・反射炉跡・湊公園がまとまっており、列車に乗れば阿字ヶ浦までそのまま足を延ばせます。